少し遅くなってしまいましたが先日DeNAの決算が発表されました。
内容に関してはもう既に皆さんご存知かと思いますが、
DeNAの大健闘っぷりが伺える決算になったのではないでしょうか。

その中で個人的に注目しておくべきトピックスをあげて、
それについて触れていくことが出来ればと思います。
僕として気になったトピックスは下記の2つになります。

①国内モバコイン消費は前Qからマイナス35億円の548億円
②年度内にアプリ、ブラウザで合計60タイトルの新規リリース


この2つが注目すべき内容にかなと思います。
それではこの2つに関してより詳しく見ていければと思います。

まずは「①国内モバコイン消費は前Qからマイナス35億円の548億円」という点。

これに関してはマイナスであるもののよくこれだけの下げ幅で止めたなというのが率直な感想。
きちんと結論が出せるのは同じプラットフォームであるGREEの決算を見てからですが、
これだけブラウザオワコン説が流れる中で前Q比で1割以下のマイナスという数字は
まだまだブラウザが健在であることを証明出来たのではないでしょうか。 

Qで548億円ですので月間で考えると約180億円前後という感じ。
つまりはMobageとApp storeの月間消費額は同じぐらいなんじゃないかと。
そう考えるとまだまだおいしい市場であるのは間違いないかと思います。

さらに今回の決算でのサプライズは「サードパーティのモバコイン消費は、堅調に推移」という点。 
これはグラフを見てもらえばわかるのですが、
ゲーム概要上
サードパーティのモバコイン消費は前Q、さらには前々Qと同じ水準を維持しています。

やっぱり世の中で言われているほどブラウザオワコンでないみたいですね。
この数字を出せるであればまだまだ魅力的なプラットフォームであると言えるかと思います。
もちろん新規リリースで当てるのは引き続き難しいのには間違いないですが。

さらにこの資料で気になったのはDeNAはコイン消費の減額を内製・協業が原因としているということ。
確かにこのグラフを見る限りでは「SAPが頑張ってんだからDeNAも負けるな」みたいに
見えてしまうのかもしれませんが僕はそんなに単純ではないんじゃないかなと思います。

DeNAは「内製・協業が落ちてもいいからサードパーティを維持したかった」のではないかと思います。
それがどこから伺えるかというのはこのような取り組みを見てもらえればわかるかと思います。

「怪盗ロワイヤル」「農園ホッコリーナ」「アイドルマスター シンデレラガールズ」の連携企画を実施

この取り組みは一見すると単なるコラボに見えるかもしれませんが、
狙いとしては「ロワイヤルとホッコリーナからアイマスへの誘導」になるかと思います。

一見すると利益率の高い内製ゲームにユーザーを滞留させることが、
DeNAにとってはいいことなのでこの戦略は「??」という方もいるかもしれません。

しかし、僕としてはDeNAは「やっぱり凄いな」の一言に尽きます。
あくまでもブラウザマーケットという前提ですが、彼らはプラットフォーマーです。
プラットフォーマーにとって最も良いところは「自分たちが手を動かさすに儲かるという仕組み」
つまりは「サードパーティがたくさん売ってくれてその手数料で儲ける」ということになります。

単純に利益率の高い内製ゲームで稼ぐというのもありなのですが、
やはりゲームを作るには人が必要ですし、人を雇うのはリスキーな選択でもあります。
なので究極はプラットフォームを最低限の人員で維持してあとは外部に頑張ってもらうというのがベストです。
もちろんプラットフォーム全体を盛り上げるという意味での内製ゲームの役割はあるかと思います。

そう考えるとDeNAはそのプラットフォーマーという立ち位置に対して、
物凄く忠実に行動した結果が今回の「サードパーティのモバコイン消費維持」に繋がったのでは。

なので個人的にはこの内製・協業が落ちたことに関してはそんなにマイナスに見ていません。
むしろするべくしてこのような結果になったのかなと思います。
まぁ最近の動向を見れば内製ゲームの新作が軒並み不調というのは確かで、
止むを得ずKPIの良いサードパーティタイトルに流し込んだという側面もあるかとは思いますが・・・。

にしてもこの数字はサードパーティにとってはまだまだ希望が見える素晴らしいものかと思います。


では次は「②年度内にアプリ、ブラウザで合計60タイトルの新規リリース」という点。

ここに関しては直近のソーシャルゲーム業界の決算を見ると、
「リリース遅延」や「開発費の増大によるコストコントロールの失敗」という文字が踊りますので、
この60タイトルの大量投入ということに少し懐疑的になっていた方も多いかと思います。


確かに今までの歴史を見るとこれだけの大量投入はなかなか前例がないかと思いますし、
皆さんがこのように心配されるのは仕方のないことかなと思います。

ただ、僕としてはあまり心配はしていません。
というより良いチャレンジが出来るのではないかと思います。

おそらく今回の取り組みにおいての最大のリスクは「開発費の増大」になるかと思います。
さすがに60タイトルも作るとなると人件費が・・・というのが本音かなと。

けどこの60タイトルのうちDeNA単独の内製はおそらく半分、もしくはそれ以下だと思うのです。
なので「それ以外の残りはほとんど外部SAPとの協業案件であるということ」です。
どうしてそれが言えるのかというと、決算資料にいくつかのヒントがあるかなと思います。
そのヒントというのは下記を見てもらえばと思います。まずはこちら。
ゲーム概要上
赤枠で囲んだ部分には国内Mobageのタイトル内訳が記載してあります。
こちらの内製・協業の数を見てもらえばわかると思うのですが、
現在DeNAで稼働している内製・協業は全部併せても93本。
さらにフィーチャーフォンとブラウザはほぼ同じかと思いますので、
約60本前後が内製・協業タイトルとして動いているということになるかと思います。

現時点で約60本の内製・協業タイトルが動いている中で、
さらにそこに合計で2倍になる約60本のタイトルを投入するということで、
さぞかし「人員の増大を図ったんだろうなー」と思って数字を見てみると、
ゲーム概要上
この資料には従業員数の推移が記載してありますが、

6月末連結従業員数 2,054名 ⇐ 3月末 2,108名

となっており、なんと人員が減っているのです。

いや、もしかしたら社内で「今までの2倍働け」という指令が出ているかもしれませんし、
今期は好調ですが基本的にはまだまだのベイスの選手たちに「お前らもゲーム作れ」という指示が(ry

と邪推してみたのですがおそらくこれらは現実的ではないかと思います(笑)

そう考えると「今までの人員で2倍のタイトル数を運用する」ということが非現実的であり、
つまりは、ここから「約60はDeNA純内製ではなく、協業案件がメイン」とも言えるのではと思います。

であれば上述したリスクである「開発費の増大によるコストコントロール」は大きく逓減されます。

これは直近の増大する開発費に対する素晴らしいリスクヘッジだなと思います。
もちろん外部とのやり取りが増えることで「リリース遅延」のリスクが増大するのはありますが・・・。
というより内製っぽい「栄冠へのキセキ」でさえ大幅遅延っぽいし。

と少し長くなってしまいましたが、今回の決算発表は「大きく攻める」と表明する一方で、
きちんとリスクコントロールも行われていて凄いなと
思った次第でした。

あとサードパーティの売上が維持というのもこれに対する布石かなと。
DeNAでやればまだまだ儲かるということであれば協業に乗ってくるSAPも増えるかと思いますし。


やっぱりこれぐらい戦略的にやらないと厳しい時代なのですかね・・・。
なんだか色々と考えさせられる決算発表でございました。
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